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壮絶ベルギーGP、チャンピオンの意地を砕いたのはブリヂストン? [F1]

今シーズン、不調(それより相変わらずの不運が多いが)と言われ優勝から遠ざかっている昨年度チャンピオンのキミ・ライコネンにとって過去3連勝中のスパは絶対に落とせないレースだった。

予選はだいたい今のマシンの性能&ドライバーの具合通りの結果で、目を引くのは最近調子を落としていたBMWザウバーのニック・ハイドフェルドがマクラーレン、フェラーリに次ぐ5番手に、それと最近上昇中のトト・ロッソが好調(で来期からレッド・ブル移籍の)セバスチャン・ベッテル(10番手)ばかりか(不調で来期は?と言われてる)セバスチャン・ボーデが一時はトップタイムを記するほどの絶好調で9番手をゲット

本戦はスタートはポールのルイス・ハミルトンが飛び出し2番手のフェリペ・マッサは4番手からジャンプアップしたライコネンに並ばれオーバーテイクされ、4番手ヘイキ・コバライネンはミスで順位を落とし中盤以降はシャッフル状態に…

2周目ハミルトンがハーフスピンでタイムを落としライコネンは差を詰めてスリップに入ってオーバーテイクでトップに

その後、2回目のピットまでは順調にトップを快走するライコネンだが、3セット目のプライムタイヤは熱が入りにくく、2番手ハミルトンに接近され、終盤の雨でグリップが落ちた時にオーバーテイクされ、その後ももつれる展開のなかクラッシュでリタイア、トップでゴールしたのはハミルトン。。だが、ライコネンとのバトルでラスト2周の時のシケインのショートカットの後に、順位を戻す行為が不十分だったと言う事で審議が入り、ゴールからプラス25秒って事で、優勝はマッサでハミルトンは3位転落に。。

で、問題のハミルトンのショートカットの後の相手への順位の戻し方だけど、(私がライコネンファンだと言う事を差っ引いても)確かに不十分だと思った。

今シーズン、フランスでショートカットしてドライブスルーペナルティーを受けていたハミルトンはチームの無線からも、ショートカットした後にポジションを戻すように指示を受けていたし、彼もやったつもりではいたんだろうが、シケインのあるコーナーの後のストレートに入ってすぐに、ライコネンの横に並び下がっていくかと思いきや、そのままライコネンのスリップに入ろうと直後に滑り込もうとしたので、ライコネンも車線を変えてそれを防ごうとしたけれど、ハミルトンはライコネンのスリップを利用してそのまま抜いたって事でしたからね
もし、これが腕のある競技で有ったなら、何らかのペナルティーで先行させたフリをして、背中か髪の毛を掴んで食い付いたような状態ではないだろうか?

ま、終盤の雨さえなければ、ライコネン得意のスパで久々の優勝って事になっていたんだろうけど、雨に邪魔されたと言う以前に今回熱が入らずグリップしなかった、最後のタイヤセットばかりでなく、今シーズンはタイヤで苦労ってことで、それを考察してみた


今シーズンF1にタイヤを供給しているのはブリヂストン、1社である

晴天用のタイヤにはハード、ミディアム、ソフト、スーパーソフトの4種類が有り、レースの時にはその中から2種のタイヤが選択され使われ、そのレース中の放送などでは(本来のそれぞれのタイヤ名前と違う比較の意味で)2種の内の固い方をハード、柔らかい方をソフトと単純に言われている。

レースごとに選択された2種のタイヤは、ハードと言われる固い方がレースを速さと耐久性のバランスが良くコンスタントに走れるタイプそのポジションから現場ではプライムと呼ばれ、ソフトと言われる柔らかい方は耐久性には少し欠けるが一発のタイムを出し易いタイプと言う事で、現場ではオプションと呼ばれ、レースではこの2種のタイヤを使う事が義務付けられ、オプション・タイヤの溝にはホワイトラインが入れられ傍目からも分かる工夫がされている。

ここまでは、昨シーズンから取り入れられたタイヤルールなのでレースを見ている人なら常識でもあるが

今シーズンに入ってから、その2種のタイヤの選択がおかしい事になってきている

今回のレースでも、レース前のブリヂストンからのコメントで「今回のスパのタイヤの選択は昨年よりも固いモノに変更しました」等と有り、プライム(=ハード側)がハードタイヤ、オプション(=ソフト側)がミディアムの選択がなされました。

で、レースでの選択されたタイヤに対する状況は、標準であるはずのプライムに対して多くのドライバーが「熱が入らずグリップしないと…」
(レーシングタイヤは走ることよって路面との摩擦等で生じる熱でグリップさせているので熱が入らないと性能を十分発揮出来ない)
ほとんどのドライバーがオプションと呼ばれるタイヤをメインに使い、本来メインで使われるはずのプライムは使いにくいので2ピット作戦の場合なら最後に(ルール上)仕方なく使った。
と言うのが、先日のスパの状況で、最終ピットでプライムタイヤへの交換後、ほとんどのチームが(普通のサーキットの約2倍あるスパの)2周走らなければ熱が入らない状況だった中、ただ1チーム(マクラーレン)だけが1周で熱を入れられた優位のおかげで2ストップ後にハミルトンがライコネンに追いつき、降り出した雨でタイヤの熱が抜けグリップ力が低下する中でもマクラーレンの特製の優位さで攻める事が出来た。

ここだけを取り出すと、マクラーレンのマシンが早くタイヤに熱を入れる事が出来て優れていると読めそうだけど、マシンのバランスと言う面では、そう簡単に割り切れるものでは無く、「タイヤに熱を入れやすい」マシンは、タイヤに負担が大きくタイヤを暑いコンディションではタイヤをオーバーヒートさせて消耗させると言う面を持っている。

このレースだけを取り上げると、たまたまマクラーレンのマシンに適したタイヤ選択であったとも言えるかもしれないが、今シーズン、特にヨーロッパラウンドに入ってからブリヂストンのタイヤの選択は昨年度より固めを選ぶ事が多く、フェラーリからは抗議も出されているようでルノーなどもそれに同調しているらしい。

では、何故ブリヂストンが昨年より固めのタイヤを選択するようになったか?と言う事だが、それに対してブリヂストンから補足された説明は大抵「昨年度タイヤの耐久性においてトラブルが有ったから…」と言うようなコメント(今回のレースもそうだった)をたびたび見かける。

それでは、そのトラブルとは?と考えると、昨年度マクラーレンのルイス・ハミルトンその人が、タイヤに優しくない酷使する使い方だったので度々トラブルお起こしていた(今シーズンもブレーキをロックさせフラットスポットを多数作ってパンクさせた事が有る)
ブリヂストンとすればトップ争いをする目立つドライバーが度々パンクさせてレースを失敗させると言う状況は、F1へのタイヤが1社供給で他社と競っていない状況だけに、マイナスイメージにしかならない、タイヤの選択を昨年度よりも硬めにしているのではないだろうか?

それに加えて、今シーズンからはTCR(トランクション・コントロール)が禁止され、ベテランドライバー以外の半数以上(今チャンピオンを競っているハミルトンやマッサも)はF1ではTCR無しのマシンの経験が無かったので、その分タイヤの使い方も荒くなり摩耗が増えると考えられ、ハードよりの選択になっていると思われ、これにより、TCR無しで上手くタイヤの消耗もコントロール出来ていたベテランの方がタイヤに熱を入れにくくなり(荒く使う方が熱が入りやすい)、得意に短時間で熱を入れなければならない予選で苦戦する状況を作っている。
(これが例えばフェラーリでは、予選で有利になったマッサのポールが多く、本戦でタイヤを使いこなしているライコネンはファステストが多いと言う状況を作っている)

結果、タイヤを固くせざるえない原因を作っている人が、有利なタイヤをはける状況になっている…と言うのが今シーズンのタイヤ事情だと思う。
(ブリヂストンとしてはCMにチームとしてはフェラーリを使っているが、今年からハミルトン個人を使ったCMを使っているだけに、パンクでリタイアを防ぎたいのかも?)


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momoko

このレース、南半球で見てました。
カフェでご飯食べてて何気にTV見たらレース前30分からの様子から始まってて、カウントダウンの表示が出てた。午後7時にスタート!
ライコネンがすぐにハミルトンを抜いてトップに出たところで店を出て続きを家で観ようと思ってたの。そしたら家では別の番組で多勢が盛り上がっていて、あっじゃー。見れなかった。
で、翌日結果が気になって新聞を買いに行きショック!
『GAME OVER KIMI』とでかでかと出てるではないか!
んでハミルトンがペナルティでマッサが優勝って見出しもあって、あれから何が起きたのだ!?って、そーっかぁ、そういうことだったのか、とはんとさんの日記で詳しい事がわかったヨ。

by momoko (2008-09-15 23:50) 

はんと

南半球で見てたのですかー!
(おつかれさまです)

レース序盤からの展開を見てた人にとって
終盤の結末で書かれた見出しは、ホント驚かれたでしょう!
放送で見てる時とは違ったショックだね…

ライコネンのリタイアなんだけど
左回りのコーナーを過ぎた後(序盤の映像は無かった)に周回遅れなどのマシンがいる状況でコースの左側(=コーナーの外側)の(舗装された)ランオフエリアから急にスピンしたような動きからコースを横切って右側の壁に当たる(少し)不可解な動きをしていた。止まったマシンの映像を確認すると左後輪がパンクしていたが、壁に当たった時に左後輪がヒットした様子が無かったので、ぶつかる前=スピンの原因がパンクだったかもしれない。
それで気になって、ハミルトンがショートカットするまえのシケインのバトルをチャックするとシケインでライコネンのイン側を無理に突っ込んだハミルトンのマシン(のフロントウイング右側あたり)がライコネンの左後輪にヒットしてるような感じだったから、リタイアの原因も奴が作っていた可能性高いかもよ
(終盤の展開はYouTubeなんかで結構アップされている、チェックできるよ)

タイヤの件、スパではスタートの時に殆どがオプションのタイヤを選択していたんだけど、タイヤウォーマーの温度はふつうは100℃なのを120℃に設定で備えた…って事からもブリヂストンのタイヤ選択にはさらに疑問が高まりましたよ。


by はんと (2008-09-17 00:16) 

まくでぃー

はじめましてこんばんは

お邪魔いたしますm(__)m

コメントいただきありがとうございました


たしかに シケインをショートカットした分がアドバンテージになったと言われれば・・・なっているようにも思われますね

はんとさんはライコネンファンの方ですね
私はハミルトンのファンですが同じF1ファンとして盛り上がっていきましょう


お時間ありましたらまたお待ちしています

お邪魔いたしましたm(__)m
by まくでぃー (2008-09-18 01:27) 

はんと

いらっしゃいませ、まくでぃーさん

元々はハッキネン・ファンでマクラーレンはファンと言うより馴染のチームって感じ、
反対にフェラーリに関しては何かと融通されていた時期も見てたのでアンチ的視点でした。

ライコネンに関しては元々はハッキネン後継者的フライング・フィンって贔屓目は有ったけど、それ以上にクリーンで切れの有る走りが好きで現役では一番のお気に入りってポジションでしょうか。。

ハミルトンも馴染みのチームの有望ルーキーと言う事で注目してたし、期待していたんだけど、アロンソとのいざこざの過程やその後、日本GPでのセーフティーカー走行時の不可解な行動、今期に至ってはカナダGPやその他…と、行為や走りそのものにも問題あるけど、それ以上に、それについて全く反省するどころか、責任を全部、他になすりつける発言。。ってので、やっぱハミルトンに関しては辛口な事しか書けないかもしれないけど、F1ファンとして盛り上がっていきましょうね♪


by はんと (2008-09-21 00:10) 

まくでぃー

こんばんはm(__)m

辛口でいいと思います。ハミルトン色々やらかしていますし・・・まぁ私はその辺が好きなんですけどね。
琢磨に対して中指たてた時はさすがにカチンときましたが。

これから今シーズンも終盤ですし、ナイトレースも楽しみです。


by まくでぃー (2008-09-21 01:15) 

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